タイムカプセル

キャンプ。

研究室で何度も相談を重ねた末、松果(ソングオ)と閣歩(ゲブ)は、ついに金曜の夜、車でキャンプへ行くことを決めた。ここしばらく、暇さえあればこの話ばかりして、そうしてとうとう今日を迎えた。なにしろ金曜日は、かなり多くのキャンプ場にとって、キャンプシーズン最後の日だったのだ。 キャンプ場を決めると、二人は研究室のZHさんも誘い、そろってウォルマートへ買い出しに向かった。お決まりの装備は、斧、バーベキューフォーク、着火剤、ライター。閣歩と松果にとって、博士課程に入ってから初めてのキャンプだった。そしてあとになってわかったことだが、一年目ではこれが唯一のキャンプでもあった。

たった一晩なのだから、食べ物もそれほど多くはいらない。松果は、アニメ『ゆるキャン△』に出てくるキャンプ飯を手本に食材を用意したわけではなく、どちらかといえば、現地のアメリカ人らしいやり方で準備した。角切りにしたリブアイを一ポンドほど、バジルペースト(pesto)、チリパウダー、塩、黒胡椒、蜂蜜に一晩漬け込む。翌日はセミナーを聞き終えたら、そのまま出発だ。


金曜午後のいつものセミナーを聞き終えると、二人は大学のフィットネスセンターへ行き、予約しておいたレンタルのキャンプ用品を受け取った。四人用テント、キャンプチェア、ヘッドランプ、寝袋、それに地面からの冷気を遮るマット。二人はもともと、気温が摂氏5度から10度ほどでも眠れる寝袋を借りるつもりだった。ところがフィットネスセンターに着いたときには、その規格の寝袋はもう在庫切れだった。最後に渡されたのは、摂氏0度前後でも眠れる寝袋。結果から言えば、これがこの上なく正しかった。

ブルーリッジ・パークウェイを走った。空は晴れ、雲はまばらだった。レイリー散乱とミー散乱にふるい分けられた最後のひとすじの光が、空に美しいグラデーションを描いていた。その静かな景色の中で、松果は思わず一種の「プレイス・ラグ(場所のずれ)」を覚えた。マーク・ヴァンホーナッカーの著書『Skyfaring: A Journey with a Pilot』から借りた言葉であり、空間の景色があまりにも大きく変わることで生じる疎外感を指す。「時差」に対する「場所のずれ」だ。ほんの一時間前まで、彼は座席の75パーセントが埋まった講堂で、自分の研究とはまるで関係のない長いセミナーを聞いていたというのに。

ブルーリッジ

二人がキャンプ場へ着いたころには、もう日は暮れていた。ヘッドランプがあれば、テントを張るのは難しくない。

寒すぎる!!!

松果には一応、薪を割った経験があった。とはいえ、いざやってみると簡単ではない。いかにもそれらしい顔をして閣歩に手本を見せると、閣歩も、少なくとも足の指だけは切り落とさずに済みそうな構えで試してみた。火がつけば、待ちに待った夕食の時間だ。前もって漬け込んだ牛肉、イタリアンソーセージを数本、そしてバターたっぷりのブリオッシュ(Brioche)で作ったホットドッグ。ここに温かいココアが一杯あれば、満足度はもう一点上がっただろう。

晴れた夜空は、星を見るのにふさわしい。けれど天体物理を研究している松果でさえ、しばらく眺めた末に見分けられたのは、世間によく知られたいくつかの天体だけだった。オリオン座、おうし座、プレアデス星団、冬と夏の大三角、そして肉眼で見える唯一の銀河系外銀河、アンドロメダ大銀河。残る無作為に散らばった星の点々を、松果は名前で呼ぶことができない。それでも、より明るい天体たちと一緒に夜空へ浮かんでいるのを見ると、不思議な安心感を覚えるのだった。

松果の写真の腕は、決して大したものではない。それでも、自分が見た夜空を記録しておきたかった。(こんなときばかりは、気温がどれほど下がっても、松果は意地を張って「そんなに寒くない」と言う。)

この写真は、サイトを立ち上げたときに背景画像として選ばれた一枚でもある。読者がこれを読んでいる今も、ブログの背景はまだこの写真なのだろうか。 夜空 夜空2

星を眺めるとき、松果の頭の中では、いつも加賀谷玲の音楽が流れる。


そのあとは眠る。寒さで目を覚ます。喉の渇きでまた目を覚ます。もうどうしても眠りたくなくなって、起きる。マクドナルドを食べる。そして、帰る。

本稿はGPT-5により原文から翻訳されました(2026/08/16)。相違がある場合は原文を優先します。